まるさんかくしかく 鈴木大拙館

 開館からようやく一年少しの大拙館、(かなり前から此処にある様な気がするのは、この場所にとても自然に溶け込んでいるからだろう。借景の‘本多の森’と一年中ホント見事な相乗効果を生み出している)館の方から「壁面に反射する波紋が綺麗ですよ」とオススメされていたんだけど、なかなかそのタイミング、太陽が傾きつつある時に行けずにいた。
  二度目の秋を迎えるこの年「今年は素晴らしい紅葉と一緒に、ぜひその波紋を見てみよう」と時間を見計らって出掛けた。これは建物が水鏡の庭と壁面に幾何学的な影を落とし始め、その中で同心円がユラユラ輝くようになった時の光景。
 「波紋を起こす装置」が作動するのは約三分に一度。静寂な水面に「ポワッ」と波が立ち・・円を描きながら進んでいき、やがて影の中に煌めく同心円が広がり、乱れ、消えてゆく。穏やかで美しい光景。後で写真を眺めていてふっと思い立った。此処にもこの館の、大拙の重要なモチーフ「まるさんかくしかく」がある!
 建物に巧みに仕組まれた同モチーフと違い、時間限定、天候にも左右される光景。
大拙翁がフラッと現れてニコニコと語りかけている様な・・そんな気もする。
2012年11月25日 15時00分撮影 この場所を中心に 金澤コンシェルジュ通信マップ を開く