気象台発表による開花宣言から約一週間後の夜のはじめ。満開のまま、まだまだ散る気配のない桜。 対岸の料亭の明りが川面を鈍い銀色に照らして、夜はまた夜ならではの趣。 (藍鼠の水面に水柿色に浮かぶ花。日本の伝統色にはこういう微妙な色がとても豊富にある)
薄暗がりに座ってふんわり花を見上げるこのお二人もそうだけど、金澤では「本来の花見」を楽しんでいる姿を多く見かける。(私が四半世紀以上暮らした東京の花見は
「この一瞬を楽しまないと」と言わんばかりのドンチャン騒ぎが今でも一般的だろうなぁ・・・(^^ゞ)
昔からよく「金澤には大きなお祭りがない」と言われるけれど(例えば百万石祭りはパレード的な要素がメイン)お祭りの重要な効能「日常(ケ)から非日常(ハレ)への移行」は実は日々の暮らしの中、こういう光景の中で佇んでいる人の心の内面で起こっている・・・んだと思う。
別段、賑やかな「桜祭り」などをしなくても
「こんなシチュエーションでこんな光景を見上げていれば」充分に非日常(ハレ)の体験。
金澤は日常に非日常が、暮らしの中に夢幻が入り混じる街。
2012年04月16日 18時59分撮影
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