浅野川桜夕景 瑠璃紺 桜鼠

 旧市街を流れる2つの川沿いは、何処の街でもそうであるように桜の見所にもなる。 
ただ他の街とちょっと違うのは「ただそれだけをズラッと植えない」こと。 
この桜のすぐ近く、ひがし茶屋街では藩政期、桜と柳が交互に配置されていたそうだ。 「色合いも良く、それはそれは優雅な景色だったと思いますよ」とこの街の歴史に詳しい方が仰っていた。 
豊富な財力で「お城から桜霞を遠景を楽しむため」にあちらこちらに桜を植えたりしたけど「桜だらけ」の場所は特に無い。 
 浅野川沿いのこの場所もそもそも並木としては短い。対岸は半分松並木。そして橋の袂には柳、枝垂れ桜・・・・ こういう街の桜は物量よりも配置と枝ぶりの妙。 
役者揃いの浅野川大橋〜梅ノ橋間の桜の中でも‘アタマ一つ’抜き出ている(と勝手に私が思っている) この桜の写真を友人が「日本画の様ですね」と言うので 「それなら・・」とタイトルにもこの景色に近い日本の色の名前を探してあててみた。 
 沢山の微妙な色‘その名づけの妙’に感心すると同時に 「それだけ淡く微妙な配色の風景の中に暮らし、僅かな色の変化を慈しんでいたんだろうなぁ」と、羨ましくもなった。 
薄闇に沈む桜を眺めながらそんな時代にちょっと想いを馳せるのも金澤らしい花見。 
2012年04月12日18時42分撮影 この場所を中心に 金澤コンシェルジュ通信マップ を表示