大拙寺(鈴木大拙館)二

 「水鏡の庭」を満たす水を波立たせる装置が作動して波紋が起き始めたトコロ。(真ん中に微かに波が見える)波紋は水深14センチの池の隅々まで伝わり跳ね返り、複雑に微かに水面を動かし続ける
この奥には前田家筆頭本多家のお庭だった松風閣庭園が広がる。※禄高五万石(家老としては日本一の禄高)この周辺約10万坪!が本多家の広大な敷地だった。
館の設計にあたって、巧みに藩政期のモチーフも取り入れている様。もう一方の壁が城の石垣をイメージしているとすれば、こちらはなまこ塀なのかもしれない。

極めてシンプルな白く低いラインと木々が構成するミニマルかつ無限の光景。

ちなみに池の底の目地のように見えるライン、実は隙間で水がここから湧き出るように循環している(二重底になっていて底板の下にもう一層、水の層がある)
画面の中央、水面と白壁の間には玉砂利を敷いた側溝があってそこへ「サーッ」と音を立てながら水が溢れ落ちている。
ふと目を凝らすとあちこちの隙間の上、水面が湧き水の様に微かに盛り上がっていたり、落水音が作る音場が意外と意識の下に降りてきたり・・・
「感じとる」ための仕掛けは細部にまで抜かりなく行き渡っている。
2011年11月10日 16時29分撮影
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