老松桜舞台

満開の桜たちを従えてライトアップに浮かび上がる、根上松※(ねあがりまつ)
※13代藩主・前田斉泰(なりやす)がわざわざ造らせた松。土を盛り上げて若松を植え、成長後に土を除いて根を露にした。

いつもはドッシリ構えるこの老大松も今宵は若い桜芸妓衆に囲まれ、ウキウキと両手を広げ・・・踊り出しそう、あるいは口上を述べる座長(この場合は春の顔見世公演かな?)の様にも見える。

全国各地の桜の名所では「辺り一体を埋め尽くす大量の桜」や「見事な枝ぶりの大桜」
などを特徴にしている場所が多いけど、金澤の桜は「風景の一部として」「桜によって魅力がさらに引き立つ風景全体として」味わうのが醍醐味。
「旧市街全体を大きなお庭に見立て」(実際加賀藩では城からの桜霞を楽しむために桜を配置した経緯もある)
複雑な地形に新緑と連なり混ざり合いながら咲く桜の風景を、ゆったり歩き回り、佇み楽しむのが金澤桜味わい流儀。
路地を巡り、坂を昇り降りし、川沿いを散策し、寺院群を彷徨い・・・・刻々と連続して変化する金澤の春景の魅力は趣深く、奥深い。
2011年04月17日 19時02分撮影
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