広坂 雨の釉薬

 2010年の金澤の桜は珍しく風雨に曝された期間が長かった。でもそのお陰で改めて「それでも桜はあまり散らない」コトも確認出来た。
満開の花をびっしり付けた枝が風雨に曝されワサワサ揺れ続けても、あまり花弁が枝から離れて行かない様子は健気でちょっと不思議ですらあった。
桜は雨に濡れている方が一層美しいというコトも再認識。
旧市街全体が薄く釉薬をかけた様な艶に覆われ、あちらこちらに出現した雨天ならではの「桜の光景」も金澤らしい。
藩政期、広坂周辺に多く存在した武家屋敷の名残を留める、深く苔生した石垣にも花弁がまぶされ釉薬がかかり、ミクスドメディアの工芸品(創作和菓子っぽくも見えるけど、野外彫刻かな)の様。(様々な素材と江戸時代からの時の流れが融合した美術作品)09年には世界初のユネスコ・クラフト創造都市の認定を受けるなど、金澤の工芸が今も発展し続けている理由の一つとして、こういう普段の光景の影響があるコトは想像に難くない。
10年4月13日15時33分撮影
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