散桜落椿 觀音坂

観音坂は一年中「昇り降りの中での風景や空気の変化」が豊かな坂だけど
一歩一歩踏みしめて登る石段も、時として様々な彩りを纏い、楽しませてくれる。
この年(2010年)の春は例年になく雨嵐が吹き荒れた年で、
いつもはなかなか枝から離れない桜の花びらもハラハラ散って、椿もドンドン落ちて・・・
でもそのお陰で、石段がこんなに艶やかに賑やかに彩られた。
雨は釉薬の様に街に木々に艶を与え、また蒔絵の漆の様に花びらを地面に定着させる。
たっぷり水を吸って色が濃くなって沈む花びら、まだ落ちて間もない明るい花びら
そのグラデーションの中に椿がポツポツと。
苔むしたベースに、桜を散らし椿を盛って・・今日限りの工芸品を見ているかの様。
明日はまた少し違った姿になり、それはそれで趣ある光景となって楽しませてくれる。
金澤人が「当たり前のコト」としてほとんど無意識に心に吸収してしまう日常の美景。
金澤を歩き佇む楽しみ。2010年4月13日 11時19分撮影
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