蓮昌寺 桜舞台

 ひがし茶屋街から横道へ逸れて卯辰山山麓寺院群の“迷宮”に足を踏み入れると、ほどなく山門へ続く石段が現れる蓮昌寺。少し離れたお隣りの西養寺ほどの段数はないけど、登るコトによって生まれる街並みとの距離感は絶妙。
泉鏡花の絶筆「縷紅新草」にも「燈籠寺」として登場するこのお寺、山門前にそびえる榎もなかなかの“役者”だけど、なんといってもこの「大桜」は圧倒的な存在感を放つ看板役者。
さしずめ繊細で妖艶な表現力で名を馳せる大物女形、といったトコロか・・・
写真ではよく分からないけど、枝が随分下まで垂れ、横にもゆったり広がって境内狭しと咲き誇る。
お寺の塀に囲まれているコトもあり、下(街)からは「そこまでの枝ぶり」であるコトは分からない。山門をくぐって初めて・・・その見事な広がりに驚かされる。
これは珍しく春の嵐が数日に渡って吹き荒れ・・・そこそこ散ってしまった後のある日、だけど、それはそれで・・・・花びらに埋め尽くされた地表が桜を映す湖面の様にもみえ・・・思わず見惚れる桜風姿。
2010年4月14日午前11時18分撮影
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