浅野川小景 雪舞風姿


幼い頃「陽が射している中、雨が降るのは狐の嫁入りといって珍しい現象」と何かの本で読み「そういう空模様」に遭遇するたびに「今、貴重な体験をしているんだ♪」と子供心にちょっと興奮した。でも実は金澤では一年を通してそういう天気はしょっちゅうある。そしてモチロン冬、雪の時も。
「金澤の冬は暗く雨や雪ばかり・・」と一般的に思われがちだけど、実際はなかなか変化に富む味わいのある空模様の日が多い。
晴天と雨天「照り降り」の素早い移り変わりだったり、大雪の空の何処かから陽が射し込んでいたり。
例えばバラバラと音を立てながら激しくアラレが降る兼六園の眺望台から眺める卯辰山方面には明るい陽が射している・・・様な光景もそれほど珍しくはない。
(この映像小品も注意深く観て頂くと、多くのカットでなにかしら陽の光が差し込んでいるのがお分かりになるでしょう)
空一杯に舞い落ちてくる雪片に陽が射してチラチラ輝き、一面真っ白になった地表からの反射も加わり淡い光がフワフワと拡散する空間が出現する。薄墨を溶かしたような雲間から時折覗く銀色がかった遥かな青色。
そんな中の旧市街を歩き、佇むのはこの季節、この時ならではの楽しみ。
枝まで静止した木々や雪の舞う様子から「比較的風が弱い」コト、また人々の服装から「それほど寒くない」コトも分かって頂けるでしょう。(雪の深夜でも気温が氷点下になるコトは希)
※ロケ場所は浅野川大橋から天神橋までの間と西養寺。音楽は藤田嗣治回顧展のために作った曲を再アレンジ。
撮影は2011年1月2日、7日、8日
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