繰り返される‘湖上の夢笛’ 兼六園霞ヶ池

 百万石まつりに合わせて市内では様々な催し物が併催(6月第一土曜日の本祭の前後三日間)される。毎年恒例となっている、兼六園霞ヶ池に浮かべた小舟に乗った藤舎眞衣さんによる篠笛の演奏は、内橋亭から船出して霞ヶ池をゆるりゆるりと一周して戻るまで、その全てが終始夢の様な光景。ただでさえ現実と夢の境が曖昧になる晩春の夕暮れ時に、これ以上はないような設えなので無理もないかもしれない。
 現場に到着するのが若干遅れてしまったこの年、池の周辺は既に沢山の人で溢れていて・・ならばと栄螺山から池全体をゆったり眺める趣向に切り替えたコトが功を奏して、いつにもまして素敵な光景に出会えた。一人の素晴らしい、実力と華を兼ね備えた奏者、それを演出する僅かだけど確かな設え(控えめかつ効果的に仕込まれた照明、ワイヤレスでクリアに確実に音声を送る装置、熟練した船頭さん・・)が晩春の兼六園霞ヶ池、という最高の舞台を使って出現させた‘プライスレス’な夢の景色。2017年6月3日19時29分撮影
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