兼六園の時雨亭は平成12年に再建された新しい建物だけど、そのルーツは1676年に5代藩主綱紀が建てた蓮池(れんち)御殿まで遡る。
(その建物の周りに設えたお庭、蓮池庭が兼六園の始まりでもあった。その後6代藩主吉徳が規模を縮小して建て替えたものが明治初期まで残っていた)
再建にあたっても、極力当時を再現。建材にはじまり、一本の釘も使わない工法、漆を8層!も塗り重ねた深い艶の天井から、障子紙の特殊な貼り方に至るまで・・・一切の妥協はない(貴重な技術の継承、育成にも役立っているのだろう。設計会社を経営する友人が感心しっぱなし・・だった)
この日はたまにパラつく雨が、辺り一帯にシットリと艶を与え程よく匂い発たせて・・・此処で過ごすにはなかなかのコンディション。
・・・一般的には少し蒸す6月半ばのどんよりした夕方、だろうけど(^^ゞ
滝の音、水の音を聴きつつ、園内の様々な香りを運んでくる優しい風に包まれて・・・
なかなか暗くならない梅雨の夕暮、いつまでも動かない蒼鷺のいる庭園に相対している時間は淡く深く・・・とても金澤らしい味わい。
2012年06月16日 18時20分撮影
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