赤母衣騎馬像月暈光輪図

尾山神社は、その他に類を見ない神門(建立された当時は相当な物議を醸したらしい)に注目が集まりがちだけど、右手奥に豊かに密かに広がる神苑(庭園)を始めとして、趣深い空間が意外と広々と展開している。(モチロン拝殿、本殿は言うまでもなく。また前田家から寄進された貴重な能面を多く所蔵しているコトでも有名)
 秋には珍しいたっぷりと湿気を含んだ大気に満たされたこの夜は、高く昇った十六夜の月に大きくクッキリした傘がかかって、まるで懐かしい絵本の挿絵の様。金木犀の香り濃く漂う、優しく幻想的なお月見日和になった。
 見上げる前田利家公の騎馬像の背景に大きく浮かぶ光の輪は丁度後光っぽく、利家公が掲げる槍(「槍の又左」という異名をもって怖れられる槍の名手だった)の穂先が十字架の様にも見え・・・時代とジャンルを超えて「宗教的」なムードさえ漂う。
 傾奇者として有名な信長の親衛隊、赤母衣衆筆頭として大いに武功をあげた利家公にも、おそらく・・・「ニヤリ」として頂けそうな月の光景、騎馬像光輪図。
2011年10月12日23時49分撮影
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