晩秋の月 兼六園

兼六園は鑑賞に適した期間を選んで、年に何度もライトアップ&無料夜間延長開園を実施する。(特に桜の時期は一週間!も)
普段は遅くとも6時には閉園してしまうこの庭園は、ライトアップ照明設備を常設しているワケではないので、毎回の趣向に合わせた照明をその都度、わざわざ設置、撤去するという手間をかけての無料夜間開園でもある。
そして「中秋の名月鑑賞」開園ではかなり落とした照明、今回の様に「雪吊り&紅葉鑑賞」開園では照明もそれなりに派手目・・と配慮も怠りない。
(霞ヶ池に張り出した内橋亭では一流の奏者によるミニコンサートも催され、その時は霞ヶ池周辺が贅沢なBGMで満たされる)

前日からの雨も上がった暖かいこの夜は十七夜の月も雲間から顔を出し、絶好のコンディション。これは写真愛好家で賑わう栄螺山中腹から。
このポイントからの光景も美しいけれど、歩みを進める毎に変化する景色を楽しみ、絵画の中を歩くようにお庭を鑑賞するコトに兼六園の醍醐味はある。
旧市街散策でもしばしば感じる「そういう感覚」は、さすがにこの庭園では顕著。
有名な霞ヶ池をバックにした徽軫灯籠の風景も、連続して変化する一瞬一瞬として眺めてこそ味わい深い。実は近づく途中も、離れていく途中も、様々に微妙に変化する風景は破綻するコトなく観るモノを楽しませてくれる。(2010年11月23日19時45分撮影)

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