浅野川 中の橋能舞台


起伏に富む金澤旧市街のお月見は、日によって時間によって
「天空の様々な位置に浮かぶ月を、様々な前景の中に配置して」味わうと一層楽しい。
「今日の月の出は何処で眺めよう・・・天頂にかかる頃なら彼処がいいかな・・」
などと思案を巡らし、その場所へ向かって歩きながらも、その道すがらまた新たな
「思いがけない美景」に出会えたりする。
「月はどこまでも一緒についてくる」のではなく「いなくなったり現れたり」を繰り返しながら様々な構図をとって私達を楽しませてくれる。
これもそういう風景。
眩い十二夜月が、尾張町裏手に繁る木立の「稜線」上に浮かんだ「金澤らしい月景色」
正面の松がちょうど能舞台鏡板に描かれた「老松」の様に見える。
(元来、能では「神前で舞う」という意味合いを込め、神の象徴として「老松」の近くに舞台が設置されるコトが多かったらしい)
「このまま能が始まらないかな。薪能もいいけど月光能はさらに素敵だろうな・・・今にも能面を付けたシテが登場しそうだ・・」
そんな夢想をしながら佇んでいると現実と夢幻の境が少しずつ曖昧になってくる。
月を巡る金澤の夜歩きは現実と夢幻を行ったり来たり。
(07年6月28日午前0時31分撮影)
この場所を中心に 金澤コンシェルジュ通信マップ を表示
金澤玉響Googleマップ版はこちら