くわな湯桜 一輪挿し

 金澤旧市街には桜が多く植えられている。藩政期にお殿様がお城から桜霞を眺めようと寺町台地斜面に植えてみたり、日露戦争勝利記念にアチコチに植えたり 最近ではワシントンの桜を里帰り植樹もしたり(当初、米国への桜の贈呈には金沢出身の高峰譲吉博士も大いに尽力した)それぞれの時代に様々な思惑で植えられてきた桜がこの街の複雑な地形とも相俟って(気温差、日照差などの影響で)時期をズラしながら咲き誇る。樹齢100年を超える熟練役者達の見事な咲きっぷりにも惚れ惚れするが、こういうふうに若い桜がポッと咲いている光景も金澤らしい桜風姿。
 主計町茶屋街の細い細い裏路地を直角に曲がった瞬間に視界に飛び込んできた一本の若桜。一輪挿しに生けた花の様。

2014年4月10日15時22分撮影 この場所を中心に金澤コンシェルジュ通信マップ を表示